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TOEFL®の種類を徹底解説!iBTとITPの違い、選び方も紹介

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「TOEFL®には複数の種類があるらしいけれど、自分に合ったテストはどれ?」「留学を目指すなら、どの形式のTOEFL®を受ければいいの?」と悩んでいませんか? 

TOEFL®は英語力を証明するうえで世界的に認知度の高い試験ですが、実は受験形式がいくつか存在します。それぞれ試験内容や用途が異なるため、違いを理解しておかないと、せっかくの勉強や受験費用を無駄にしてしまうことにもなりかねません。

この記事では、代表的なTOEFL®の種類をわかりやすくまとめつつ、「TOEFL iBT®とTOEFL ITP®のどこがどう違うのか?」という疑問を解消していきます。最後まで読めば、目的や状況に応じてどの種類のテストを選べばいいのかがスッキリわかるはずです。



TOEFL®とは?

TOEFL®(Test of English as a Foreign Language)は、ETS(Educational Testing Service)が運営する英語試験です。英語を母語としない受験者を対象に、英語運用能力を多角的に評価することを目的としています。

TOEICとの違いとして、TOEICはビジネスシーンでの英語運用能力を測るテストであるのに対し、TOEFL®はよりアカデミックな内容が多く、海外大学や大学院への留学を目指す人向けの試験という印象が強いです。実際、多くの英語圏の大学では入学要件として一定以上のTOEFL®スコア提出を課しており、特にアメリカやカナダへの留学を希望する方が積極的に受験します。



TOEFL®の種類


TOEFL®にはいくつかの実施形態がありますが、代表的なものは「TOEFL iBT®(インターネットベース)」と「TOEFL ITP®(団体向けペーパーテスト)」の2種類です。加えて、中高生向けの試験や、過去に実施されていた形式なども存在します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

TOEFL iBT®とは

TOEFL iBT®(Internet-Based Test)は、世界中で実施されているインターネット経由の試験形式です。試験会場に設置されたコンピューターを使って、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能を総合的に測定します。

スコア範囲
0〜120点(各セクション30点満点)

試験時間
約2時間前後(2023年より試験時間が短縮)

頻度
月に数回〜ほぼ毎週末(テスト会場によっては年間30回以上実施される

技能測定(試験内容)
セクション 試験内容
リーディング アカデミックな英文を読み、内容理解を問う
リスニング 講義や対話音声を聴き、要点把握や推測力を評価
スピーキング 与えられたトピックについて短時間で意見を述べる
ライティング 課題文・講義内容を踏まえ、英文エッセイを作成

アメリカやカナダなど海外大学の多くで、正式な出願要件として指定されるのがこのTOEFL iBT®です。
さらに詳しく知りたい方は、「【TOEFL iBT総まとめ】試験概要・問題の流れ・対策法」をご確認ください。

TOEFL iBT® Home Edition について

2020年より、TOEFL iBT® Home Editionという形で自宅受験が可能になりました。コロナ禍で試験会場へ足を運ぶのが難しくなった際に、ETSが導入した試験方式です。

スコア範囲
通常のTOEFL iBT®と同じく、0〜120点

試験時間
TOEFL iBT®と同様(約2時間前後)

頻度
自宅受験の枠が定期的に設けられており、オンラインで日程確認・申し込みが可能

試験内容
  • 内容は会場受験のTOEFL iBT®と同一
  • 4技能(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)を評価
  • PCや周辺機器(カメラ・マイク)を使って監督官からオンライン監視を受けながら進行

自宅にいながら公式スコアが得られるメリットがある一方で、静かな受験環境を整えるハードルや通信トラブルへの不安もあるため、事前の環境確認が欠かせません。

さらに詳しく知りたい方は、「TOEFL iBTが自宅で受けられる!Home Editionの受験条件や環境を徹底解説」をご確認ください。


TOEFL ITP®とは

TOEFL ITP®(Institutional Testing Program)は、主に大学や企業などの団体が英語力を測定する目的で採用する試験形式です。紙と鉛筆を使うペーパーテストで、リスニング・文法・リーディングの3技能を評価します(スピーキングやライティングは含まれません)。

スコア範囲
Level 1(中級〜上級): 310〜677点
Level 2(初級〜中級): 200〜500点

試験時間
Level 1 :約115分  
Level 2 :約70分

頻度
大学や企業など団体が日程を決めてまとめて実施 ※個人申込みは不可

技能測定(試験内容)
セクション 試験内容
リスニング
(Listening Comprehension)
会話や短い講義音声を聴き、内容把握問題に回答
文法
(Structure and Written Expression)
英語の構文・文法知識を評価
リーディング
(Reading and Vocabulary)
アカデミック寄りの英文を読み、設問に答える
※スピーキング・ライティングは含まれない点がTOEFL iBT®と大きく異なる

海外大学の入学要件として公的に認められることは少なく、対外的なスコア証明としては基本的にTOEFL iBT®が必要となります。ただし、国内の大学間プログラムや語学研修などでTOEFL ITP®スコアが利用されるケースもあるため、所属機関から案内があればチェックしておきましょう。


TOEFL® Essentialsとは

TOEFL® Essentialsは、ETSが比較的最近開始した、新しい形式のテストです。大きな特徴は以下のとおりです。

スコア範囲
各セクション12〜16点(合計0〜12点換算など独自のスコア指標)
 ※ETS公式サイトで最新情報をご確認ください。

試験時間
約1時間半(4技能を短時間で測定する設計)

頻度
公式日程に従ってオンライン受験可能。

技能測定(試験内容)
セクション 試験内容
リーディング アダプティブテスト方式で、解答次第で問題の難易度が変化
リスニング
スピーキング 短い解答から記述式の内容まで、幅広く英語力を確認
ライティング
※TOEFL iBT®と比べると受験時間が短く、受験料も低めに設定

試験料がTOEFL iBT®よりやや安いことや短時間で完結する点など、受験者の負担を抑えつつ4技能を一通り測れる利点があります。一方で、まだ導入してから日 からの歴史が浅く、留学先の大学で広く受け入れられているとは言い難い側面もあるため、利用を検討する際は志望校の要件をしっかり確認する必要があります。


その他のTOEFL®試験(Junior・Primary・過去のPBT/CBT)

TOEFL® Junior / TOEFL® Primary

TOEFL® Juniorは中高生、TOEFL® Primaryは小学生を主な対象としたTOEFL®です。将来的に留学を考えている生徒が、TOEFL®の試験形式に慣れながら英語の4技能を学べるよう設計されています。

TOEFL® PBT / CBT

過去に行われていた紙ベーステスト(PBT)やコンピュータベーステスト(CBT)ですが、現在ではTOEFL iBT®に移行しており、ほぼ廃止されています。過去に「PBTを受験した」という話を聞くことがあるかもしれませんが、現在は日本国内でPBTやCBTを受けることは基本的にありません。


TOEFL iBT®とTOEFL ITP®の違いとは


受験者が特に迷いやすいのがTOEFL iBT®とTOEFL ITP®のどちらを選ぶか、という点です。両者には具体的にどのような違いがあるのでしょうか?ここでは3つの観点から整理します。

試験形式と受験方法の違い

TOEFL iBT®
  • 会場にあるコンピューターで受験(またはHome Editionで自宅受験)
  • リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能をすべて測定
  • 個人が公式サイトを通じて申し込み・受験できる

TOEFL ITP®
  • 多くは紙と鉛筆によるマーク式
  • リスニング、文法、リーディングの3技能(スピーキング・ライティングなし)
  • 団体(大学や企業)がテスト実施を申し込み、受験者を募る形式


出題範囲と試験内容の違い

TOEFL iBT®
  • 大学レベルのアカデミックな文章や講義トピックが出題され、総合的な英語力を評価します。
  • スピーキングやライティングでは「自分で英語を生み出す力」も試されるため、より実践的なコミュニケーション能力が要求されます。

TOEFL ITP®
  • 過去に実施されていたTOEFL® PBTの問題をベースにしており、文法問題のセクションがある一方でスピーキングとライティングがありません。
  • 総合力というより、インプット(読む・聞く)と文法知識に特化した評価と言えます。


スコアと活用用途の違い

TOEFL iBT®
  • スコア範囲:0〜120点
  • 用途:海外大学・大学院への出願、奨学金申請、各種英語力証明など世界的に通用する公式スコア

TOEFL ITP®
  • スコア範囲:310〜677点(Level 1)
  • 用途:大学のクラス分け、企業内評価など、団体内での英語力測定が主。原則として留学などの正式な出願用途には利用不可(一部の大学間プログラムを除く)


結局どのTOEFL®を受ければいい?


「TOEFL®を受ける必要があるけれど、結局TOEFL iBT®とTOEFL ITP®のどちらを選べばいいの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。基本的には以下の方針で考えるとわかりやすいです。

海外留学・大学院進学や奨学金申請に使うなら → TOEFL iBT®
世界の多くの教育機関がTOEFL iBT®スコアを公式に認めているので、広く活用できます。

大学や企業のクラス分け・研修評価として英語力を測定したいなら → TOEFL ITP®
同じ団体に所属する受験者のレベル比較に使用できます。ただし個人受験ができないので、利用したい場合は所属先で導入しているか確認が必要です。

中学・高校生で、TOEFL®の試験形式に慣れておきたい場合 → TOEFL® Junior・TOEFL® Primary
学校単位での導入が多く、早い段階からTOEFL®に触れられます。また、自己啓発として現在の英語力を測るのにも適しています。

留学などの「対外的な英語資格として認められる」かどうかが大きな分かれ道になります。もし「将来は留学も考えているけど、今すぐには受けられない」という状況なら、受験頻度や費用面を踏まえて受験の計画を立てましょう。


TOEFL®の種類に関するよくある質問


TOEFL iBT®とTOEFL ITP®はどちらが難しいですか?

「TOEFP ITP®はスピーキングがないから簡単」と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。TOEFP ITP®には独立した文法セクションがあるため、細かい文法問題が苦手な方には手強い場合があります。また、TOEFL iBT®とTOEFL ITP®は測定対象の技能が違うため、単純比較はできません。自分の得意不得意や、求められる英語スキルによって難易度の感じ方は変わると考えましょう。

TOEFL® Essentialsは留学でも使えますか?

一部の大学やプログラムではTOEFL® Essentialsのスコアを出願要件として認めている場合もありますが、認知度や実績ではTOEFL iBT®のほうが圧倒的に多いです。志望校がEssentialsスコアを正式に受け付けているか確認し、もし対象外ならTOEFL iBT®を受験したほうが無難でしょう。

TOEFL iBT®を自宅受験する際の注意点は?

TOEFL iBT® Home Editionを選択する場合は、特に受験環境の整備に注意が必要です。以下のポイントを押さえておきましょう。
  • 静かな部屋を確保できるか(周囲に人が出入りしない)
  • パソコンや通信環境が安定しているか
  • Webカメラ・マイクの品質や設定がETSの要件を満たしているか
試験当日、監督官によるオンライン監視下でのトラブルはスコア取得に大きく影響します。必ず事前のテストや模擬環境のチェックを入念に行いましょう。


まとめ

TOEFL®には複数の形式が存在し、それぞれ試験の方法や測定技能、活用シーンが大きく異なります。留学や海外大学への出願に使うならTOEFL iBT®が基本で、学校や企業の団体内評価用としてTOEFL ITP®が使われることが多いです。加えて、中高生向けのJunior・Primary、過去に実施されていたPBTやCBTなども、知っておくと混乱を防げるでしょう。

目的や状況を整理して、最適な試験を選ぶことが大切です。もし海外の大学に出願する場合は、まず志望校がどのTOEFL®形式を認めているかを必ずチェックしておきましょう。自分の計画にあった試験選びをして、効率的にTOEFL®対策を進めてくださいね。

 

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※TOEFL®はETSの登録商標です。このコンテンツは、ETSの検討を受けまたはその承認を得たものではありません。

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