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TOEFLは英検のように合否で判定される試験ではないため、自分の取得したスコアが低いのか、高いのか、どのように判断したら良いのか困っていませんか?
当記事では、TOEFL iBTのスコア別に英語レベルと何ができるのかを解説します。現在の自分の英語力と目指すべきスコアを決める際の参考にしてみてください。
さらに、スコアアップするための対策方法やすぐに実践できるコツも紹介します。TOEFL iBTのスコアを正しく理解して、効果的に対策をしましょう。
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TOEFL iBTのスコアは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの各セクションが0-30、総合スコアは0-120で示されます。各セクション、4〜5の習熟度に別れており(低中級や中上級など)自分のスコアからどのレベルに位置しているか分かります。
ここでは総合スコア0-120をもとに解説しています。
初学者のレベルです。この範囲内のスコアでは、海外の学校(英語を使用する)への入学に必要な資格を得るには十分ではありません。英検だと準2級に相当するレベルで、高校中級程度です。
英語の基礎はあるものの、まだまだ初級レベルです。さらなる練習が必要ですが、勉強により多くの時間を割き、できるだけ頻繁に英語を使用することで上達します。
平均的な英語力にかなり近づいてきているものの、まだ基礎が不足しているレベルです。特にボキャブラリーを増やすことと、英語そのものに触れる機会を増やすことが必要です。 また、このレベルになると、「インプット」と「アウトプット」のトレーニングが大切です。より高いレベルの英語力を身につけるためには、モチベーションを高めることも重要になるでしょう。英検2級レベルに相当し、高校卒業程度です。
この範囲内のスコアで合格となる海外大学もありますが、授業に追いつくのは非常に難しいレベルです。そうなると、英語の補習が必要になります。一方で、英語に触れる機会が増えるので、英語を使う機会も増え、上達のきっかけになるでしょう。
英語圏の大学に合格するためには、このスコア以上を目指す必要があります。このレベルは、文法の基本は理解できているものの、特に文章が長くなると混乱してしまう可能性があります。理解が追いつかなくなることもあるので、キーワードを見て発言を言い換える方法を学ぶと良いでしょう。英検準1級レベルに相当し、大学中級程度です。
このレベルは、海外の大学への入学も容易であり、自分の英語力にも自信を持てます。しかし、授業などで専門用語が出てくる場合は、英語による「学術的な概念」の理解を少し補強する必要があります。例えば、法律の概念は法律の専門用語で説明されるので、英語で理解できるように補習するということです。 また、授業中に難しい考えを複雑に説明された場合には、誤解する可能性があります。
ネイティブに近いレベルで、英語で行われる授業にも十分に対応できます。試験ではコミュニケーション能力が求められ、自信を持って発言できるかどうかにかかっています。自分の意見を述べることは、定期的に行っていれば問題なくできるでしょう。英検では1級に相当します。
2021年にTOEFL iBTを受験した日本人の総合平均スコアは74点でした。各スコア別と、受験者全体、大学を目指す受験生、大学院を目指す受験生の平均スコアを表にまとめました。
各セクションの平均スコア | |||||
Reading | Listening | Speaking | Writing | Total | |
日本人 | 19 | 19 | 17 | 18 | 74 |
受験者全体 | 22.4 | 22.6 | 21.1 | 21.6 | 88 |
大学を目指す受験者 | 21.6 | 22 | 21.1 | 21.3 | 86 |
大学院を目指す受験者 | 23.4 | 23.5 | 21.5 | 22.2 | 91 |
おおよそ4〜6スコアの標準偏差(平均スコアからの±)はありますが、参考にして自分の英語レベルを把握しておきましょう。留学先では、もちろん授業は全て英語で行われます。
そして、現地の学生の他、他国からの留学生とも一緒に受講することになります。日本以外の平均スコアを知ることで、どの程度の英語レベルの学生と学ぶことになるのか知る目安にもなります。
参考:https://www.ets.org/pdfs/toefl/toefl-ibt-test-score-data-summary-2021.pdf
それぞれ試験の特徴が異なるので、一概に換算できるものではありませんが、CEFRを基準に目安を表にまとめました。
CEFR | IELTS | TOEFL | 英検 | TOEIC (S) | TOEIC (W) | TOEIC (L) | TOEIC (R) |
C2 | 8.5〜9.0 | 114 | - | - | - | - | - |
C1 | 7.0〜8.0 | 95 | 1級 | 180〜 | 180〜 | 490〜 | 455〜 |
B2 | 5.5〜6.5 | 72 | 準1〜1級 | 160〜 | 150〜 | 400〜 | 385〜 |
B1 | 4.0〜5.0 | 42 | 2〜準1級 | 120〜 | 120〜 | 275〜 | 275〜 |
A2 | - | - | 準2〜2級 | 90〜 | 70〜 | 110〜 | 115〜 |
A1 | - | - | 3〜準2級 | 50〜 | 30〜 | 60〜 | 60〜 |
※S=Speaking, W=Writing, L=Listening, R=Reading
参考:https://www.ets.org/toefl/score-users/ibt/compare-scores.htmlIELTSの最高スコア9.0はTOEFLの114、TOEICの最高スコア990はTOEFLの95前後とされています。つまり、TOEFLの最高スコア120は、他の試験には換算できないため、他試験と比較しても難易度が高いと言えるでしょう。
各セクションのスコア目安(どのレベルに相当するのか)と対策方法を紹介します。スコアの目安を知ることで、自分の英語レベルや強み、弱みを把握しましょう。弱みとなる部分や、全体的に苦手なセクションは、無闇に勉強をするのではなく効率良く対策をしていくことが重要です。
リーディングは、約700語の長文を2つ読みます。設問数はそれぞれ10問ずつで、所要時間は35分です。
<目安スコア>
- 上級 (CEFR Level C1)*:24〜30
- 中上級 (CEFR Level B2):18〜23
- 初中級 (CEFR Level B1):4〜17
- 初中級以下:0〜3
*29 or 30はCEFR Level C2
引用:https://www.ets.org/pdfs/toefl/toefl-ibt-performance-descriptors.pdf
リーディングの対策方法を2つ紹介します。
リーディングパッセージは大学レベルの教科書から抜粋されています。学術的な環境で使用される資料をどの程度読むことができ、さらに、理解できるかを評価されるので、アカデミックな単語や文章に慣れましょう。
一般的に使用されない単語などは、定義するための用語が記載されています。しかし、大学レベルの学術的なトピックや単語など日常ではあまり目にしないものが多いため、TOEFL iBT対策用の参考書や問題集で学習しましょう。
リスニングの所要時間は、36分で、講義と会話を聞いてそれぞれ設問に答えます。講義は「3題で設問は各6問」、会話は「2題で設問は各5問」です。
<目安スコア>
- 上級 (CEFR Level C1)*:22〜30
- 中上級 (CEFR Level B2):17〜21
- 初中級 (CEFR Level B1):9〜16
- 初中級以下:0〜8:
*28〜30はCEFR Level C2
引用:https://www.ets.org/pdfs/toefl/toefl-ibt-performance-descriptors.pdf
リスニングの対策方法を3つ紹介します。
会話は3分、講義は3〜5分の音声を集中して聞く必要があります。途中で集中力が途切れないように、日頃から長めの音声を聞きましょう。また、テスト中メモはいつでも取れるので、長文を聞きながら大切だと思うポイントはメモに残す練習も行いましょう。
リスニングスコアが特に低い場合は、シャドーイングやディクテーションをおすすめします。特にディクテーションは、聞いたものを書きとるため、メモをとる練習にもなります。
スピーキングは、音声を録音する形式で解答します。Independentタスク1問とIntegratedタスク3問に別れており、Independentは「自分の意見を述べる」タスクで、Integratedは「音声を聞いたり、読んでから要約して話す」タイプです。合計17分で行います。
<目安スコア>
- 上級 (CEFR Level C1)*:25〜30
- 中上級 (CEFR Level B2):20〜24
- 初中級 (CEFR Level B1):16〜19
- 初級(CEFR Level A2):10〜15
- 初級以下:0〜9
*28〜30はCEFR Level C2
引用:https://www.ets.org/pdfs/toefl/toefl-ibt-performance-descriptors.pdf
スピーキングの対策方法を2つ紹介します。
Independentタスクは、自分の意見を述べるスピーチ形式ですが、Integratedタスクは、読んだり聞いたりした内容を要約して話す形式なので、話す能力だけではなく、リーディングとリスニング能力も問われます。話す内容のテンプレートを作成し覚えて、試験ではそのテンプレートに当てはめて解答すると良いでしょう。
自分の発音やイントネーションなどを客観的にみることは難しいので、英会話スクール、オンライン英会話、AIアプリなどフィードバックを受けられる環境で対策をしましょう。
筆記ではなく、タイピング形式で解答します。Integrated taskとAcademic Discussion taskに別れており、Integratedは「聞いて読んだ内容を要約してエッセイを書く」タスクで、Academic Discussion taskは「オンライン上のディスカッションに対して自分の意見を書く」タイプです。合計29分で行います。
- 上級 (CEFR Level C1)*:24〜30
- 中上級 (CEFR Level B2):17〜23
- 初中級 (CEFR Level B1):13〜16
- 初級(CEFR Level A2):7〜12
- 初級以下:0〜6
*29 or 30はCEFR Level C2
引用:https://www.ets.org/pdfs/toefl/toefl-ibt-performance-descriptors.pdf
ライティングの対策方法を3つ紹介します。
Integratedタスクは150〜225語、Independentタスクは300語以上と文字数の決まりがあります。それそれの文字数を考慮したライティングの型や構成を身につけて、自分の意見を論理的に伝えられるように練習しましょう。
書きたいことがあっても「単語やフレーズが思い出せない、知らない」という理由で書けないケースがあります。そのような場合は「言い換え」ができれば、自分の知っている単語やフレーズに置き換えて書けます。せっかくアイディアはあるのに書けないという事態を避けるために、この言い換えの力を身につけましょう。
スペルミスは自分で気づけますが、複雑な文法のミスやより良い表現などは自分で気づいて改善することは困難です。書いたエッセイを確認してフィードバックを受けられる環境で対策をしましょう。スクールなどで、試験に精通した人に確認してもらう方法が最適ですが、Grammarlyなどの文法チェッカーやアプリを使うのもおすすめです。
TOEFL iBTのスコアを上げるには、適切な対策方法とある程度の時間が必要です。そのため、今すぐに取り入れられる勉強方法やコツなど、すぐに実践できるものから取り組くことが大切です。2つのコツを紹介しますので、早速やってみましょう。
留学に必要な実践的な英語力を身につけるためにも有効な方法なので、ぜひ実践してみてくださいね。
TOEFLのスコアアップに関係あるの?と思う方もいるかもしれません。とても基本的な練習方法ですが、「インプット」と「アウトプット」は欠かせません。
文法もフレーズも単語も、インプットしただけでは使いこなせず、アウトプットの練習をして初めて身に付くものです。そのため、「単語帳を眺めてとりあえず覚える」のではなく、アウトプットを「どのようにするか」を想定して学習しましょう。
<具体的な方法例>
・覚えたい単語はフレーズや例文にして書いて読む
ただ単語を覚えるよりも、フレーズや例文を書くことで、スペルと使い方が同時に学べます。さらに、音読することで発音も練習でき効率的です。書いてインプットし、音読してアウトプットする、この作業を繰り返しましょう。
・TOEFL iBTのリーディングパッセージを活用する
読む、書く、話す、聞くのすべてに共通して言えることですが、「日本語」に直してから考え、またそれを英語にするのは好ましくありません。特にリーディングなど長文を読んで設問に答えたり、スピーキングでテストで何かを答えたりする際には、時間が不足してしまいます。最適な方法は、英語を英語で考える「英語脳」を作ることです。
英語脳を作ると聞くと難しく感じるかもしれませんが、大切なのは「慣れる」ことです。日頃から考えごとや、思いついたことを口に出して英語で言ってみましょう。簡単なところから、例えば「お腹がすいたな」と思った時は、”I’m hungry.”と言うレベルからのスタートで問題ありません。話し相手がいると想定して、自分の知っている単語やフレーズを使って、話し続ける練習をするのも効果的です。
TOEFLは合否のない試験だからこそ、自分のスコアがどの程度のレベルを指すのか、目標スコアをいくつに設定すればいのか、目安がわからないと難しいですよね。TOEFL iBTの場合、海外の大学に進学し授業を受けることを考えると80は目指しておきたいところです。しかし、具体的にどれだけのスコアが必要かどうかは、自分の希望する学校や機関によって異なります。事前に調査をして、目標スコアに向けて対策しましょう。
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