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IELTSスピーキング:本番で使えるフレーズ【パート別解説】

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IELTSスピーキングテストで高得点を狙うには、状況に応じて「使えるフレーズ」を効果的に使いこなすことが重要です。 本記事では、パート1~3の場面別に役立つ定番フレーズを紹介し、さらにスコアアップにつながる表現のコツや練習方法について解説します。丸暗記に頼らず、自分の言葉で表現できるようになることで、流暢さや一貫性といった評価項目で高評価を得られるでしょう。IELTS対策中の方は必見の内容です!



IELTSスピーキングで使えるフレーズが重要な理由

IELTSスピーキングでは、限られた時間で回答を組み立てる必要があり、そこで役立つのが定型フレーズやつなぎ表現です。あらかじめ使える表現を身につけておくと、瞬時に適切な言い回しが出てきて考える時間を稼いだり、話の流れを整理したりするのに有効です。

また、様々なフレーズを使い分けることで語彙力の豊富さをアピールでき、流暢さや一貫性(Fluency and Coherence)の評価も高まります。一方で、暗記した表現を不自然に何度も使うと減点対象となるため注意が必要です。同じ単語やフレーズの繰り返しは好ましくないので、同義語や言い換え表現を用意しておきましょう。自然に使えるよう十分練習しておけば、「使えるフレーズ」はスピーキング力向上の強い味方となります。


【パート1】IELTSスピーキングで使える定番フレーズ

パート1では主に身近な話題について質問されます(例として「仕事」「学業」「地元(出身地)」「自宅・生活」など)。質問に対する答え自体はシンプルで構いませんが、単調な表現の繰り返しは避け、豊富なフレーズで回答に厚みを持たせましょう。実際、パート1ではYes / Noだけでなく理由や具体例を付け加えて答えることが重要だとされています。

ここではパート1で頻出のトピックごとに、自己紹介や日常生活に関する質問に答えるための便利な表現を紹介します。自分の状況に合わせてアレンジしつつ使えるようになると、短いやり取りの中でもスムーズに会話を進められるでしょう。また、パート1は面接官の第一印象を左右する重要な場面なので、あらかじめ回答表現を準備して自信を持って答えることが大切です。

学業について答えるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
専攻 My major is … 専攻は…です 学習分野の提示
学年 I’m currently a … at … University. …大学の…年生です 所属の明示
志望理由 I chose this major because … この専攻を選んだ理由は…です 動機や背景の説明
進路 After graduation, I plan to … 卒業後は…する予定です 将来計画を添える

学生の場合は専攻や大学生活に関する質問が定番です。”What do you study?(何を専攻していますか)”と聞かれたら、

My major is ~.(私の専攻は~です)

I’m currently a senior at XYZ University.(XYZ大学の4年生です)

といった表現で回答できます。

また、学業への取り組みを示す一言として“Admission was very competitive.(入学競争が非常に激しかったです)”のように、入試や試験などの情報を付け加えることもできます。

大学名や専攻科目を述べる他に、”I've always been interested in ~.(昔からずっと~に興味があります)”と志望動機に触れたり、”After graduation, I plan to ~.(卒業後は~する予定です)”と将来計画を述べたりするのも効果的です。

After graduation, I plan to pursue a career in finance.(卒業後は金融業界でキャリアを積む予定です)

のように言えば、将来のビジョンも示せます。自分の学業について多角的に語れるフレーズをいくつか用意しておきましょう。

仕事について答えるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
職種を言う I’m currently working as a … 現在…として働いています 最初の一文で職種を提示
業界を言う I work in the … industry. …業界で働いています 業界名で話題を広げる
担当を言う I’m in charge of … …を担当しています 具体的な業務へ展開
勤続年数 I’ve been working at … for X years. …でX年働いています 継続期間を示す
長所を述べる The good thing about my job is … 仕事の良い点は…です 好意的な印象を添える

社会人の場合は、まず現在の仕事や職業について聞かれることが多いです。”What do you do?(普段どんなお仕事をしていますか)”と質問されたら、次のようなフレーズで簡潔に答えられます。

I’m currently working as a ~. (現在~として働いています)

I’ve been working at ABC Company for X years. (X年間ABC社で働いています)

こうした定番フレーズを使えば、自分の職種や勤務先、勤務年数などを端的に回答することができます。

さらに仕事の具体的な内容や魅力を付け加えたい場合は、”The good thing about my job is ~.(私の仕事の良い点は~です。)”のように述べると良いでしょう。

The good thing about my job is that I get to interact with people from all walks of life.(私の仕事の良い点は、様々な背景を持つ人々と関われることです)

のように言えば、仕事に対する前向きな姿勢も伝えられます。

出身地・住んでいる場所について答えるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
出身 I’m from …, which is a … in … …の…出身です 地理+特徴を一文で提示
特徴 It’s known for … …で知られています 名所・名産の話題へ
雰囲気 It’s a … place to live. 住みやすい…です 形容詞で印象を追加
居住期間 I’ve been living there for … そこで…暮らしています 期間で具体性を出す

故郷や現在の住居について尋ねられることもよくあります。”Where is your hometown?(出身地はどこですか)”や”Please describe your hometown.(地元について説明してください)”と聞かれた際は、

I’m from Osaka, which is a large city in western Japan.(西日本にある大きな都市の、大阪出身です)

のように答えると良いでしょう。地名と簡単な説明を組み合わせることで、一言で効果的に伝えられます。さらに地元の特徴を述べる場合は、

It's known for its beautiful view of the ocean.(美しい海の景色で知られています)

It's a nice place to live because it is traditional and rich in culture.(そこは伝統があり文化が豊かなので、住むのに良い場所です)

といった表現が使えます。

現在住んでいる場所について聞かれた場合も、都市や地域の説明に加えて、”I’ve been living there for five years.(そこで5年間暮らしています)”のように居住期間を伝えるフレーズを準備しておきましょう。地元や住環境を表す語彙(urban, rural, historic, lively など)も交えて答えると、短い回答でも内容に厚みが出ます。

趣味・興味について答えるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
趣味全般 In my free time, I like to … 余暇に…をします 最初の一文に便利
好きなこと One of my favorite hobbies is … 好きな趣味の一つは…です 話題の軸を作る
最近の興味関心 I’m really into … these days. 最近…にハマっています 近況の話題へ
週末の過ごし方 I spend most of my weekends … 週末は主に…します 頻度や習慣の提示

趣味や余暇の過ごし方に関する質問では、自分の好きなことを話すチャンスです。”What do you do in your free time?(暇なときは何をしますか)”と聞かれたら、”In my free time, I like to ~.(暇なときに~するのが好きです)”と答えてみましょう。例えば、

In my free time, I like to read novels.(暇なときに小説を読むのが好きです)

のように具体的に述べます。また、

One of my favorite hobbies is ~.(お気に入りの趣味の一つは~です)

I’m really into ~ these days.(最近~にハマっています)

といった表現で、自分の関心事を伝えることもできます。

趣味に関連して頻度を聞かれた場合は、

I spend most of my weekends doing ~.(週末のほとんどを~して過ごします)

のように答えると良いでしょう。趣味の話題では自分の好きなものを楽しそうに語ることで笑顔が生まれ、コミュニケーションが円滑になります。興味を持って話す姿勢そのものが好印象につながるため、表情も含めて練習しておきましょう。


【パート2】スピーチで使えるフレーズと回答構成のコツ

パート2は与えられたトピックについて1人で2分間話すスピーチです。準備時間は1分しかないため、あらかじめスピーチの型(構成)と有用なフレーズを身につけておくことが重要です。限られた準備時間内で話の構成を練るには、日頃からスピーチの流れ(起承転結)を意識して練習しておくと良いでしょう。

ここではパート2で役立つ表現を、スピーチの「導入」「展開(つなぎ表現)」「締めくくり」の3段階に分けて紹介します。導入では話し始めをスムーズにするフレーズ、展開では内容を整理して伝えるためのつなぎ表現、締めくくりではまとめの一言を述べる表現をそれぞれ準備しておきましょう。これらを活用することで途中で言葉に詰まることなく話を進められ、聞き手(試験官)にも内容が伝わりやすくなります。また、スピーチ全体の構成をあらかじめ決めておくことで、一貫性のある回答になり高評価につながります。

スピーチの導入に使えるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
導入① I’d like to talk about … …について話します 最も汎用的
導入② Let me tell you about … …について話します カジュアル寄り
具体化 The one I’d like to talk about is … (色々ある中で)話したいのは…です 対象を一意に絞る
特別性 What makes it memorable is … 印象的な点は…です 要点を先出し

スピーチの出だしでは、最初の一文で話題を提示することが大切です。緊張していても、決まり文句を使うことでスムーズに話し始められます。例えば以下のような定番の入り方があります。

I’d like to talk about ~.(~についてお話ししたいと思います)

Let me tell you about ~.(~についてお話ししましょう)

これらはどんなテーマでも汎用的に使える便利なフレーズです。例えば「思い出に残っている旅行」を話す場合は、

I’d like to talk about an unforgettable trip I took to Hokkaido last year.(昨年行った北海道への忘れられない旅行についてお話したいと思います)

のように言い出せば、本題にスッと入れます。また、

The one I’d like to tell you about is ~.(私が話したいのは~です)

という表現も、複数の選択肢の中から紹介したい人や物事を切り出すのに便利です。導入部分で話すテーマを明確に示すことで、聞き手は内容を予測しやすくなり、その後の展開もスムーズになるでしょう。

スピーチの展開をつなぐフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
順序立て First of all / Secondly / Finally まず/次に/最後に 構成の骨組み
追加 Additionally / Furthermore さらに 情報の追加
理由 The main reason is that … 主な理由は…です 根拠を提示
例示 For example / For instance 例えば 具体化で説得力増
結果 As a result / Because of that その結果/そのため 因果を明確化

スピーチ中盤では、話の順序立てや理由説明のためのつなぎ表現が不可欠です。まず、出来事を順序立てて話す際には

First of all,… / Secondly,… / Finally,….(まず初めに~/次に~/最後に~)

など順序を示すフレーズが有効です。また、詳細や理由を付け加えるときは

The main reason is that ~.(主な理由は~です)

Additionally,… / Furthermore,….(さらに~)

といった表現で情報を補足できます。話の途中で例を挙げたくなったら

For example,… / For instance,….(例えば~)

と言って具体例を示すと良いでしょう。

さらに、結果や因果関係を述べる際には

Because of that,… / That’s why….(そういうわけで~)

のようなフレーズを織り交ぜると、説得力のあるスピーチ展開になります。これらのつなぎ言葉(ディスコースマーカー)を使うことで話に論理的な流れが生まれ、内容の一貫性が高まります。適切なつなぎ表現を活用し、聞き手がストーリーを追いやすい構成を心がけましょう。

スピーチを締めくくるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
結論 Overall / In conclusion / To sum up 結論として/まとめると まとめの合図
所感 Overall, I learned that … 全体として…と学びました 学びで締める
重要性 That’s why it matters to me. それが重要だと感じます 個人的意義を添える

話し終える際に唐突に終わらないよう、まとめの一言を用意しておくと安心です。スピーチの最後では、

In conclusion,… / To sum up,….(要するに/まとめると~)

のようなフレーズで全体を締めくくることができます。

Overall, it was one of the most valuable experiences in my life.(要するに、それは私の人生で最も貴重な経験の一つでした)

のように結べば、話の趣旨が明確になります。また、

All in all,….(総合的に見て~)

Overall, I learned that ~.(総じて~ということを学びました)

といった表現で自分の感じたことや教訓を述べるのも良いでしょう。特にIELTSでは、「そのエピソードで自分が何を得たか」まで言及できると内容に深みが出ます。「最後に〇〇を伝えて終わる」というフレーズパターンを決めておけば、時間いっぱい話した後も落ち着いて締められるはずです。話し終わりまで自信を持って言い切り、笑顔でパート2を終えましょう。


【パート3】ディスカッションで使えるフレーズ

パート3では試験官との双方向のやり取り、ディスカッションが行われます。パート2のトピックに関連した、より抽象的な質問が次々と飛んでくるため、自分の意見を論理的に述べる力や、試験官の意見に対して賛否を示す力が試されます。そのため、意見を述べる表現や賛成・反対を表明する表現、推測する表現など、多角的に議論を展開するためのフレーズを用意しておきましょう。

話の展開に応じて適切なフレーズを使い分けることで、受け答えに深みと説得力が生まれます。またディスカッションでは回答をだらだらと伸ばしすぎず簡潔にまとめることも重要です。要点を押さえつつ自分の考えを明確に伝える練習をしておきましょう。

意見を述べるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
主張 In my opinion, … 私の意見では…です 率直に答える
強調 It seems to me that 〜 〜のように思います 意見を強調する
強調② From what I have heard/seen, … 私が聞いた/見たところでは… 伝聞を交える
視点提示 From my point of view, … 私見では…です 主観で和らげる
丁寧 As far as I’m concerned, … 自分としては…です 角を立てにくい

質問に対して自分の意見を述べる際、使い回しできる導入表現を複数持っておくと便利です。定番は” I think (that) ~.(~と思います)”ですが、そればかりでは単調なので他の表現も使うとよいでしょう。

In my opinion, ~. (私の意見では、~です)

It seeems to me that 〜.(〜のように思います)

などは自分の考えをはっきり示すのに有効です。例えば「テクノロジーの影響」について聞かれた場合、

In my opinion, technology has improved our lives tremendously.(私の意見では、テクノロジーは私たちの生活を飛躍的に向上させました)

のように言えば明確です。また、やや婉曲的な言い方として

From my point of view, ~.(私見では、~です)

As far as I’m concerned, ~.(自分としては、~です)

という表現も使えます。これらを状況に応じて使い分け、”I think…”の一本調子にならないよう工夫しましょう。

賛成・反対を表明するフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
完全賛成 I completely agree. 全面的に賛成です 端的に伝える
一部賛成 I agree to some extent. 一部は賛成です 保留を残す
反対 I’m afraid I disagree. 反対です 丁寧な否定
反論 That’s a valid point, but … もっともですが… 反論の出だし

試験官の意見に対して賛否を求められたり、一般論に対する自分の立場を聞かれたりすることもあります。その際には明確に賛成・反対を示す表現を使いましょう。例えば賛成なら

I completely agree.(全面的に賛成です)

I agree with the idea to some extent.(ある程度賛成です)

と表現できます。逆に反対意見を述べる場合は

I’m afraid I disagree.(残念ながら賛同できません)

I don’t quite agree with that.(その点にはあまり同意できません)

が使えます。さらに丁寧に反論する場合は、

Although some people think X, I must admit I have a different opinion.(Xと考える人もいますが、正直なところ私は違う意見です)

のように前置きをつけたり、

That’s a valid point, but…(ごもっともですが、しかし…)

のように相手の意見を一度認めてから反論すると良いでしょう。トーンを和らげるクッション表現(”I see your point, however, …”など)も組み合わせ、丁寧さを保つのがポイントです。賛否を述べるフレーズをいくつかストックしておき、スムーズに自分の立場を表明できるようにしましょう。

推測・可能性を述べるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
高い可能性 It’s likely that … …の可能性が高いです 予測時に有効
見込み There’s a good chance that … …の見込みがあります 積極的な推測
控えめ I suppose … / I guess … …だと思います 断定を避ける
原因推測 It might be because … …が理由かもしれません 理由づけ
推測を強調 I haven't thought about that before, but … 今まで考えたことはないけれど、… 推測していることを強調

将来の予測や不確実な事柄について問われた場合には、推量を表す表現が役立ちます。その質問に関する知識が不十分であったり、考えたことが無いようなことを問われたときにも、その場で推測して回答することが求められますが、その際は、

I haven't thought about that before, but I guess 〜.(今まで考えたことはないけれど、考えるとすれば〜)

と前置きをしつつ回答をすることも有効です。(フィラーフレーズとしても使えます)

質問として「~になると思いますか?」と聞かれたときは、

It’s likely that ~.(~という可能性が高いです)

There's a good chance that ~.(~という十分あり得ます)

といった表現を使うことで、確率の高そうな予測を述べられます。控えめな推測として、

I suppose ~.(~だろうと思います)

I guess ~.(~かなと思います)

なども口語的によく使われます。例えば

I guess people will mainly use electric cars in the future.(将来、人々は主に電気自動車を使うようになるだろうと思います)

のように言えば、それらしい見立てになります。可能性の程度を表現する副詞(probably, possibly, most likely, definitely など)を組み合わせれば、

It will most likely ~.(おそらく~でしょう)

のように確信度合いを調整できます。質問に対して明言できない時でも、こうした推量表現を使えばそれらしい回答を成立させることができます。

一般論を述べるフレーズ

用途 英語フレーズ 日本語訳 使いどころ
概論 In general / On the whole 一般的に/全体的に 広い視点の意見
傾向 Most people tend to … 多くの人は…する傾向があります 傾向を伝える
多数 The vast majority of … …の大多数 多数派の視点
少数 A small minority of … …のごく一部 少数派の視点

社会問題など幅広い話題について意見を求められた場合、一般論や傾向に触れる表現が有用です。

In general, ~.(一般的に~です)

On the whole, ~.(全体的には~です)

を使って話し始めれば、広い視点から意見を述べる印象を与えられます。加えて

It is often said that ~.(~と言われることが多いです)

Most people tend to ~.(ほとんどの人は~する傾向があります)

のように世間一般の声を紹介したり、傾向を述べたりすることもできます。統計的な表現として

the vast majority of ~(~の大多数)

a small minority of ~(ごく一部の~)

を用いると、より客観的な一般論を展開できます。例えば

The vast majority of people support the new policy.(大多数の人々がその新しい政策を支持しています)

のように言えば、社会全体の傾向を示すことができます。このようなフレーズを使えば、個人の体験に留まらず話題を広げて議論できるため、パート3で深みのある回答をする助けになります。


質問に困ったときに使えるフレーズ

質問内容が聞き取れなかったり、答えに詰まってしまったりした場合でも、適切なフレーズを知っていれば落ち着いて対処できます。IELTSでは、質問が理解できないときは遠慮なく聞き返してOKです。また、すぐに答えが思いつかないときはフィラー(間をつなぐ言葉)で時間を稼ぐのも有効なテクニックです。

ここでは、困ったときに役立つ表現として「質問をもう一度言ってもらうフレーズ」「自分の発言を言い直すフレーズ」「考える時間を作るフィラーフレーズ」の3種類を紹介します。これらを知っておけば、焦らず冷静にパート3まで乗り切ることができ、最終的には試験官からの印象も良くなるかもしれません。

質問を聞き返すフレーズ(リピート依頼・確認)

用途 英語フレーズ 日本語訳
繰り返しの依頼 Could you repeat the question, please? もう一度質問をお願いします
聞き逃し I’m sorry, I didn’t catch that. 失礼しました、聞き取れませんでした
ゆっくり依頼 Could you say that a bit more slowly? もう少しゆっくりお願いします
意味確認 Do you mean … ? …という意味ですか

質問が聞き取れなかった場合は、遠慮せずもう一度言ってもらう表現を使いましょう。丁寧にお願いする言い方としては次のような例があります。

Excuse me, could you repeat the question, please? (すみませんが、もう一度質問を繰り返していただけますか?)

I’m sorry, I didn’t catch that. (申し訳ありません、聞き取れませんでした)

質問の意味が掴めなかった場合は一度自分なりに言い換えて確認する方法もあります。

If I understood correctly, you’re asking ~, right?(私の理解が正しければ、~という質問ですね?)

のように聞き返せば、時間を稼ぎつつ質問内容を確認できます。実際、IELTSの面接官はこちらが聞き取れなかった場合、1~2回であれば繰り返しや言い換えに応じてくれます。試験官はお願いすれば質問をゆっくり言い直してくれることも多いので、聞き逃してしまったときは素直に頼みましょう。適切な聞き返しは減点にならず、むしろ積極的なコミュニケーション姿勢と捉えられます。

発言を言い直すフレーズ(自分の表現の言い換え)

用途 英語フレーズ 日本語訳
言い換え What I mean is … 言いたいことは…です
別表現 In other words, … 別の言い方では…です
言い換え② To put it differently, … 別の表現では…です
再表現 Let me rephrase that. 言い直します

話している途中で自分の発言を修正・補足したくなる場合もあります。その際には

What I mean is ~.(つまり私が言いたいのは~です)

In other words, ~.(別の言い方をすると~です)

などを使って、前の発言内容を言い換えると良いでしょう。

I worked in a hospital – what I mean is that I was a receptionist at a large hospital.(病院で働いていました――つまり大きな病院で受付をしていたということです)

のように言えば、先ほどの説明をより明確に補足できます。また

Let me rephrase that.(言い直させてください)

と言ってから言い換えるのも丁寧です。言い間違いや説明不足に気付いたときにすぐ訂正・補足できるこれらのフレーズは、自己修正能力をアピールする上でも有用で、コミュニケーションを円滑にします。焦らず言い直すことで、伝わりづらかった回答をわかりやすく修正できるでしょう。

間をつなぐフィラーフレーズ(考える時間稼ぎ)

用途 英語フレーズ 日本語訳
考える姿勢を見せる Let me see... ええと
考えたいと伝える Let me think for a moment. 少し考えます
一旦受け止める That’s an interesting question. 興味深い質問です
率直に伝える I haven’t thought about that before. 考えたことがなかったです

質問に即答できないときや考えをまとめる時間が欲しいときは、フィラー(間をつなぐ表現)を使って時間調整しましょう。代表的なものにには以下があります。

Let me see…(そうですね…)

Let me think for a moment…(少し考えさせてください)

また、以下のような一言で、数秒の猶予を作ることもできます。

That’s an interesting question.(それは興味深い質問ですね)

Well, I haven’t thought about that before.(そうですね、そのことは今まで考えたことがありませんでした)

このようなフレーズを使えば頭の中で回答を組み立てる時間が稼げます。沈黙が長引くと焦ってしまいがちですが、フィラーを活用すれば落ち着いて対応できるでしょう。“umm…”や”err…”といった無言の間延ばしよりは、ここで紹介したような意味のあるフレーズを口にした方が印象は良くなります。適度に時間を稼ぎつつ、次に何を言うか考える余裕を作りましょう。


高スコアを狙うための上級フレーズ&表現テクニック

用途 英語フレーズ 日本語訳
仮定法で洗練 If I had to choose, I’d say … 一つ選ばなければならないなら…です
印象強調 What really strikes me is … 強く印象に残るのは…です
常識強調 It goes without saying that … …は言うまでもありません
公平評価 It’s fair to say that … …と言って差し支えありません
譲歩 Granted, …, but … …は認めますが…です
付加 Not only …, but also … …だけでなく…も
影響 have a positive impact on … …に良い影響を与える
役割 play a vital role in … …で重要な役割を果たす
慣用句① be under the weather 体調が優れない
慣用句② in the long run 長期的には

バンドスコア7.0以上の高得点を目指すなら、一段階上の表現を取り入れてみましょう。例えば、パート1の自己紹介で以下のような仮定法を使うと高度な文法力を示せます。

If I had to choose, I'd say studying abroad was the most rewarding experience of my life.(もし選ばなければならないとしたら、留学が私の人生で最もやりがいのある経験だったと言えます。)

またパート3で前述した”From my point of view,….” や”As far as I’m concerned,….”のような表現に言い換えても、語彙と表現の幅をアピールできます。

さらにイディオムやコロケーション(慣用句・連語)を適度に織り交ぜるのも有効です。以下は一例ですが、

I couldn't attend the lecture yesterday because I was feeling under the weather.(昨日は体調が悪かったので、講義に出席できませんでした。)

Investing in renewable energy will be more cost-effective in the long run.
再生可能エネルギーへの投資は、長い目で見ればより費用対効果が高いでしょう。

といった表現を使えると、一目置かれるでしょう。実際、バンドスコア7.5以上を狙う場合は句動詞やコロケーション、短縮形(I'm, didn't, can't など)も交えて様々な表現を使うと良いとされています。

ただし難しい表現も使い過ぎは禁物で、不自然にならない範囲にとどめることが大切です。上級フレーズを使いこなすには練習が必要ですが、身につければ他の受験者と差をつけることができます。文法的にも語彙的にも多彩な表現力を示し、試験官に強い印象を残せる回答を目指しましょう。


使えるフレーズを身につけるための効果的な練習と注意点

紹介したフレーズを実戦で使いこなすには、日頃からの練習が欠かせません。まず注意したいのは、フレーズの丸暗記に頼りすぎないことです。前述の通り、暗記フレーズの不自然な使用は試験官に見抜かれてしまいます。大切なのは、覚えた表現を自分の言いたい内容に合わせてアレンジし、自然な形で口から出せるようにすることです。
そのために、覚えたフレーズを書いたり声に出したりしてアウトプット練習することが効果的です。例えば、実際の過去問を使って答案を作り、そこに学んだ表現を一つ必ず使ってみる、といった練習をすると定着しやすいでしょう。

また、ネイティブ講師や友人と模擬面接を行いフィードバックをもらうのも有効です。そうすることで、自分では気づかなかった不自然な箇所を修正でき、フレーズの使い方も磨かれていきます。要は、フレーズも「使えてこそ意味がある」ので、頭で覚えるだけでなく実践練習で自分のものにしていきましょう。

なお、IELTSスピーキング力向上の鍵は繰り返しの練習にあります。ある程度覚えた表現も、一度使えたからといって安心せず、自然に出てくるまで何度も声に出して練習しましょう。過去問の例題を何度も解き直す地道な復習が、英語表現を自分の言葉として定着させ流暢さを養う近道です。練習でうまく話せても本番で同じ力が出せるとは限りません。
覚えた単語やフレーズを自信を持って自然に言えるレベルまで繰り返し練習することで、初めて本番で武器として使えるようになるのです。


IELTSスピーキング対策はオンライン英会話ベストティーチャーで効率良く練習しよう

学んだフレーズを実際の会話で使い慣れるには、オンライン英会話サービスの活用もおすすめです。オンライン英会話「ベストティーチャー」のIELTS対策コースは、IELTSを熟知したプロ講師と実践的なスピーキング練習ができるため大変効果的です。ベストティーチャーではIELTSを共同運営するIDP監修のオリジナル問題を用いたレッスンで、パート1~3すべての練習が可能です。講師とのマンツーマンレッスンで今回紹介したフレーズを使いながら回答する練習を積めば、表現を自然に口に出せるようになります。

また、外国人講師からスピーキングのフィードバックももらえるので、自分では気づかない弱点を修正しスコアアップにつなげることができます。実際、ベストティーチャーのIELTS対策コースで1ヶ月強の学習でスピーキングスコアが5.5から7.5にアップした受講生の例もあります。現在、無料体験レッスンも受付中ですので、ぜひ一度お試しください。

プロの指導の下、実践的な練習を積んで、本番のIELTSスピーキングで自信を持ってフレーズを使いこなし、目標スコアを達成しましょう!

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