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海外企業との商談を任されたものの、「どの順番で話せばよいのか分からない」「準備した英語が本番で出てこない」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
英語での商談を円滑に進めるには、便利なフレーズを覚えるだけでは不十分です。商談の目的を定め、相手の状況を聞き、課題に合った提案を行い、最後に次の行動を確認するところまで、一連の流れを理解しておく必要があります。
この記事では、英語商談の基本的な流れを7つのステップに分けて解説します。商談前の準備、場面別の英語フレーズ、30分の商談を想定した進行例、聞き取れないときの対処法、商談後のフォローなどを紹介するので、実際の業務に合わせて活用してみてください。
目次
英語での商談は、一般的に次のような流れで進みます。
| 段階 | 主な目的 |
|---|---|
| 1. 事前準備 | 商談のゴール、質問、提案内容を整理する |
| 2. 挨拶 | 相手と話しやすい雰囲気をつくる |
| 3. 目的共有 | 商談の目的とアジェンダをそろえる |
| 4. ヒアリング | 相手の現状、課題、希望を確認する |
| 5. 提案 | 相手の課題に合った解決策を説明する |
| 6. 条件調整 | 価格、納期、仕様などを話し合う |
| 7. クロージング | 合意事項と次の行動を確認する |
「商談」に近い英語表現には"business meeting"や"business negotiation"があります。
"business meeting"は取引先との打ち合わせを幅広く表し、"business negotiation"は価格や契約条件などの交渉を強く意識した表現です。
ただし、実際の商談では一つの表現に置き換えることより、meeting、discussion、negotiationなど複数の表現を目的に応じて使い分けることが大切です。
初回商談の目的を、「その場で契約を決めること」に限定する必要はありません。
「相手の課題を把握する」「詳しい提案を行う機会を得る」「決裁者を交えた次回の商談を設定する」といったことも成果です。
商談前には、「今回の商談を終えた時点で、相手にどのような行動を取ってもらいたいか」を決めておきましょう。
ゴールが明確であれば、何を質問し、どこまで説明すべきかを判断しやすくなります。
英語商談では、本番で言葉が出てくるかどうかだけに意識が向きがちです。しかし、話す内容が整理されていなければ、日本語でも説明はまとまりません。
まずは商談の目的を決め、相手に聞くこと、自社から伝えることを整理し、短い英語で表せる状態にしておきましょう。
「商品を紹介する」「相手の話を聞く」だけでは、商談後に何を目指すのかが明確ではありません。次のように、相手に取ってほしい行動まで具体化します。
目的は、商談の冒頭で伝えられる一文にしておくと便利です。
Our goal today is to understand your requirements and agree on the next steps.
(本日は、御社の要件を把握し、次のステップについて合意することを目的としています)
相手企業の事業内容、顧客、現在利用している商品やサービス、参加者の役職などを、公開情報などから分かる範囲で調べます。ただし、調べた内容を事実として決めつけるのは避けましょう。次のように、仮説を確認する質問へ変えると、自然にヒアリングへ移れます。
We understand that you are currently expanding into overseas markets.
Is that correct?
(現在、海外市場への展開を進めていると理解していますが、合っていますか)
質問は「必ず聞くもの」と「時間があれば聞くもの」に分けます。相手の現状と課題、課題による影響、希望する結果、導入時期、意思決定の流れなどから、今回の目的に関係する項目を優先しましょう。
自社紹介は、「何を提供している会社か」「誰を支援しているか」「どのような強みがあるか」の3点に絞ります。
会社の歴史や商品の機能をすべて説明する必要はありません。最初の説明は短くし、相手の課題を聞いた後で関係する情報を補足します。
価格、納期、仕様、契約期間については、その場で回答できる範囲も整理しておきましょう。回答はおおまかに「対応可能」「条件次第で調整可能」「社内確認が必要」の3種類に分けておくことで、不用意な約束を防げます。
ここからは、商談本番の流れを7つのステップに分けて見ていきましょう。
最初に、時間を取ってくれたことへの感謝と自己紹介を伝えます。
Thank you for taking the time to meet with us today.
(本日はお時間をいただき、ありがとうございます)
対面なら移動や天候、オンラインなら音声や画面の状態について短く話すと、本題へ入る前の緊張を和らげられます。アイスブレイクをしつつ、相手の反応を見ながら本題へ移りましょう。
商談の目的、予定時間、扱う議題を最初に確認します。
Today, we’d like to learn more about your current situation and discuss how we may be able to help.
(本日は、御社の現状について伺い、私たちがどのようにお役に立てるか話し合いたいと思います)
相手側にも配慮し、追加したい議題がないか確認しましょう。
Is there anything you’d like to add to the agenda?
(議題に追加したいことはございますか)
会議や商談を進行するときの表現をさらに確認したい方は、「英語での会議完全ガイド:使えるフレーズ50選と失敗しない進行のコツ」も参考になります。
商品説明を始める前に、相手の現状を確認します。Yes / Noだけで終わる質問より、相手が詳しく説明できる質問がよいでしょう。
Could you walk us through your current process?
(現在の業務の流れについて教えていただけますか)
What is the biggest challenge you are facing at the moment?
(現在、最も大きな課題は何ですか)
回答を確認したあとはすぐ次の質問へ移るのではなく、要点を言い換えて確認します。
So, your main concern is the time required for manual processing. Is that right?
(つまり、主な懸念は手作業にかかる時間ということでしょうか)
相手の発言を要約することで、理解に誤りがないかを確かめながら、次の質問へつなげられます。
ヒアリングした内容を受けて、相手の課題と自社の提案を結び付けます。
Based on what you’ve told us, we believe this solution could help reduce the time required for this process.
(お話しいただいた内容から、本サービスは作業時間短縮に役立つと考えています)
商品の機能を一つずつ説明するより、「相手のどの課題を、どのように改善できるか」を先に伝えることで、より魅力的な提案が可能になります。
資料を使って提案する場合の構成や説明表現については、「英語でのプレゼンテーション手法―構成・定番フレーズ・成功のコツ―」でも詳しく解説しています。
相手から質問を受けたら、最初に結論を簡潔に答え、必要に応じて理由や具体例を補足します。説明後は、相手の疑問を解消できたか確認しましょう。
Does that answer your question?
(ご質問への回答になっていますでしょうか)
質問の意味が曖昧な場合は、推測で答えずに対象を明確にします。
When you say “support,” are you referring to technical support or customer support?
(「サポート」とは、技術支援と顧客対応のどちらを指していますか)
条件交渉では、最初に相手が何を優先しているかを確認します。価格を下げる場合も、一方的に譲歩するのではなく、数量や契約期間などの条件と組み合わせて検討します。
We may be able to offer a lower price if the contract period is extended.
(契約期間を延長していただける場合は、価格を下げられる可能性があります)
相手の希望に応じられない場合も理由だけで終わらせず、代替案を示すことも重要です。
We may not be able to meet that delivery date, but we could deliver part of the order earlier.
(その納期への対応は難しい可能性がありますが、一部を先に納品することは可能です)
最後に、合意した内容と未決定の内容を分けて、担当者と期限を確認します。
To summarize, we’ll send you the revised proposal by Friday.
(まとめますと、金曜日までに修正版の提案書をお送りします)
次回の予定も、できるだけ具体的に決めておきましょう。
Could we schedule our next meeting for early next week?
(次回の打ち合わせを来週前半に設定できますか)
「よい話ができた」で終わらせず、誰が、何を、いつまでに行うかまで確認することが大切です。
実際の商談では、時間配分を決めておくと、自社説明が長くなりすぎたり、クロージングの時間がなくなったりするのを防げます。
30分のオンライン商談であれば、次の進め方が一つの目安になります。
接続状況を確認して参加者を紹介し、商談の目的とアジェンダを共有します。
複数人で参加する場合は、担当者(進行 / 商品説明 / 質問への回答 / 記録など)を事前に決めておきましょう。
現在の業務、困っていること、その影響、理想とする状態を順に聞きます。
準備した質問をすべて消化することより、重要な回答を掘り下げることを優先します。相手の回答を要約し、認識が合っているかを確認してから次へ進みましょう。
相手の課題を短く要約し、関係する提案だけを説明します。回答できない質問は無理に答えず、社内の誰に確認し、いつまでに回答するかを伝えます。
価格や納期の話が出た場合は、合意した内容と検討中の内容を分けて記録することが重要です。
残り時間を伝えつつ、商談内容を要約します。資料送付、見積もり、社内検討、次回商談について、それぞれの担当者と期限を決めます。
相手が社内で検討する場合は、必要な資料と回答予定日を確認しましょう。すぐに条件が合わない場合も、無理に結論を迫らず、再検討できる条件や今後の連絡時期を明確にして、次に繋げることが重要です。
商談は、準備した台本どおりに進むとは限りません。聞き取れない場合や、その場で回答できない場合に使う表現も準備しておきましょう。
聞き取れないまま曖昧に相づちを打つと、価格や納期などの条件を誤解してしまい、大きな問題になるかもしれません。重要な内容は、自分の言葉で言い換えて確認します。
Just to make sure I understand correctly, do you mean that the delivery date needs to be moved forward?
(正しく理解できているかの確認ですが、納期を早める必要があるという意味でしょうか)
聞き返しや確認の表現を増やしたい方は、「聞き取れなくても大丈夫!?英語の会議を乗り切る6つの方法!」も確認してみてください。
社内確認が必要なことを伝え、いつまでに回答するかを示します。
I’ll need to confirm that with our technical team. We’ll get back to you by tomorrow.
(技術チームへの確認が必要です。明日までに回答いたします)
即答を避けること自体は問題ではありません。「確認します」だけで終わらせず、回答期日までしっかり伝えることがポイントです。
話の流れが脱線してしまったときには、無理に相手の話を否定せず、受け入れつつ目的の議題へ戻します。
That’s an important point. Could we come back to it after we finish discussing the pricing?
(重要な点ですね。価格についての話を終えた後で、改めて取り上げてもよいでしょうか)
時間が足りない場合は、残り時間を共有し、優先して確認すべき議題を相手にも尋ねましょう。
商談後は、お礼だけでなく合意内容を書面に残します。フォローメールには、次の内容を簡潔に記載しましょう。
確定事項と検討中の事項を混在させないことも大切です。
「当社が金曜日までに見積書を送付する」「相手が翌週水曜日までに社内確認する」のように、誰が何をするのかを明確にします。
英語メールの基本構成や結びの表現については、「英語メールの書き方完全ガイド:件名・書き出しから結びまで徹底解説」で確認できます。
英語商談では、語彙や文法以外の理由で話が進まないこともあります。
失敗①:自社や商品の説明が長すぎる
説明したいことを事前に英語で書き出す、説明練習をするのは良いですが、相手の課題を聞く前に商品の機能をすべて説明すると、相手に関係のない情報が増えてしまいます。最初の説明は短くし、ヒアリング後に必要な情報を選びましょう。
失敗②:分からない内容に"Yes."や"I see."と答えてしまう
商談相手は「内容を理解した、受け入れた」と理解します。もし認識に齟齬が発生したときには大きな問題になってしまうので、曖昧なまま肯定せず、
特に数字、期限、仕様は、復唱または言い換えによって確認してください。
失敗③:商談の最後に次の行動を決めないこと
商談後に担当者と期限を不明確なままにしてしまうと、お互いが相手からの連絡を待つ状態になってしまうこともあります。合意事項、検討事項、回答期限、次回日程など、お互いにやることを整理し共有しましょう。
商談を円滑に進めるためには、フレーズ単独で暗記するよりも、「質問する→回答を要約する→追加で確認する」「提案する→反応を聞く→条件を調整する」という会話の流れで練習しましょう。
英語商談では、一般的なフレーズを覚えておくのはもちろんですが、それだけではなく自社の商品説明や相手への質問を英語で準備しておくことが重要です。商談の流れや自社商品の説明を確認するだけでなく、実際に話すことを書き出してみる、ロールプレイをする、といった事前の準備を行うことで、より成果のある商談にすることができるでしょう。
ベストティーチャーの法人向け英語研修では、実務で使いたい英文を実際に作成し、講師の添削を受けたうえで、オンライン英会話に取り組むことでができます。自社の商談内容に合わせて説明や受け答えを練習することができるので、より効果的な英語学習を進めることができます。
英語での商談は、一般的なビジネスプロセスと同様に、事前準備から始まり、挨拶、商談の目的共有、ヒアリング、提案、条件調整、クロージング、そして商談後のフォローアップという一連の流れに沿って進められます。
大切なのは、フレーズを暗記することではなく、相手の課題を聞き、自社の提案と結び付け、最後に「誰が・いつまでに・何をするのか」をクリアにすることです。
次回の英語商談を成功させるために、まずは自社紹介の導入文や、相手の状況を引き出すための質問項目をあらかじめ英語で書き出してみましょう。その上で、商談全体の流れをイメージしながら実際のやり取りを想定してロールプレイング(練習)を行っておくことが大切です。