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CEFRとは何か知っていますか?
TOEICや、TOEFL、IELTS、英検などを受験したことがある方なら、この「CEFR」を見たことがあると思います。外国語を習得する際、その習得レベルを示す数値として使われるCEFRですが「あなたのレベルは(B2)や(C1)です」と言われても、それがどのレベルなのか分からないですよね。
そのため本記事では、「CEFRレベル」や「各英語検定試験との比較」、「CEFRの歴史」などをまとめました。
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CEFRといえば日本では英語を思い浮かべますが、正しくは言語の習得状況を評価するために考案されたすべての言語に共通の「ものさし」のことです。CEFRは”Common European Framework of Reference for Languages”の略で、「ヨーロッパ言語共通参照枠」の意味です。名称にもあるように、このものさしはヨーロッパで作られたものです。
ヨーロッパ全体の安定と発展を目指し、1993年にEU(欧州連合)が発足しました。EUは、各国の権限を認めつつも、経済政策、外交政策、そして司法協力を3つの柱として加盟国(28か国)間で可能な限り協調することで調和ある発展を実現しようとしています。そのためには、域内のヒト・モノ・カネの動きを流動化する必要がありました。
特にヒトに関してはコミュニケーションが重要になります。また、現実に異なる国で学んだり、働いたりするためには、その国の言語で日常生活をおくれる程度の語学力が必要になります。EU域内の相互理解や相互交流を図る上で、母語とは異なる言語の能力を必要なレベルで身につけることが広く各国の国民に求められました。
このような文化や言語に関する考え方は、「複言語・複文化主義」と呼ばれています。このような背景の中で、EU圏内では学校教育において母語+他の外国語2つを学習する方針を取っています。
その際、すべての言語を同じレベルまで習得することは求められておらず、各人の必要に応じて(例えば、フランス語は業務レベルの文章を読める程度、ドイツ語は日常会話ができる程度までといった具合で)習得すればよいとされています。このときに、「どの程度まで」を判断する参考として作られたのがCEFRです。
CEFRは外国語の学習者がどのレベルまで習得しているかを判定する際の国際的なガイドラインとして、現在広く用いられています。ヨーロッパ発祥のCEFRが今や世界中で活用されている理由は、これまでの評価基準の考え方とは異なる次のような特徴(長所)があるからです。
CEFRでは、習得レベルを「A:基礎段階」「B:自立段階」「C:熟達段階」に分けています。
それぞれをさらに2段階に分類して
の6段階に分けています。
また、各レベルを判定する基準を以下のように定めています。
CEFR | 言語運用能力 |
---|---|
C2 | 聞いたり、読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した法歩で再構成できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況でも細かい意味の違い、区別を表現できる。 |
C1 | いろいろな種類の高度な内容のかなり長いテクストを理解することができ、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会的、学問的、業務上の目的に応じた、柔軟な、しかも効果的な言葉遣いができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細なテクストを作ることができる。その際テクストを構成する文句や接続表現の用法をマスターしていることがうかがえる。 |
B2 | 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的な話題の複雑なテクストの主要な内容を理解できる。お互いに緊張しないで母語話者とやり取りができるくらい流暢かつ自然である。かなり広汎な範囲の話題について、明確で詳細なテクストを作ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しながら自己の視点を説明できる。 |
B1 | 仕事、学校、娯楽、で普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要点を理解できる。その言葉が話されている地域を旅行しているときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結びつけられた、脈絡のあるテクストを作ることができる。経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、説明を短く述べることができる。 |
A2 | ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接関係がある領域に関する、よく使われる文や表現を理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。 |
A1 | 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と言い回しは理解し、用いることもできる。自分や他人を紹介することができ、どこに住んでいるか、誰と知り合いか、持ち物など個人的情報について、質問したり、答えたりできる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助け舟を出してくれるなら簡単なやり取りをすることができる。 |
世界では様々な英語の検定試験が実施されていますが、それぞれの試験は特定の目的のために作成されたものです。例えば世界で最もポピュラーな検定試験がTOEFLです。TOEFLは、”Test of English as a Foreign Language”の略で、移民の多い米国で移民後の生活や教育が可能かどうかを判断するために、英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るテストとして始まった試験です。米国のEducational Testing Service(ETS)という団体が実施しています。
また、日本で広く普及している試験としてTOEICがあります。この試験は正式名称を”Test of English for International Communication”といい、主にビジネス向けの英語力を測定するために始まった試験です。
その他の検定試験もそれぞれ独自の目的に沿って作成されたものですから、一口に英語検定試験といっても、そこで測ろうとしている英語力の中身や評価方法には少しずつ違いがあります。
本来は試験方法も問題も評価方法も違う試験を比較するのは簡単ではありませんが、ここで登場するのが「CEFRによる比較」です。
上図は、2018年3月に文科省がまとめた各種検定試験とCEFRとの対照表です。(2020年度から始まる大学入学共通テストにおいて活用対象となった検定試験のみ掲載されています)この表により、特定の検定試験でどのくらいのスコアを取ればCEFRのどのレベルに該当するのかがわかります。また、そのスコアは他の検定試験ではどれくらいのスコアに相当するのかも判断できます。ただし、CEFRの段階分け自体が大まかな区分ですので、それぞれに該当するスコアの幅はかなり大きなものになっています。
CEFRは汎用性を重視した学習のための「ものさし」ですから、判断基準も前掲の表のように「大枠」で示されます。それでも、「…できるくらいまで身につけたい」と考える学習者にとっては、実用的な「ものさし」でしょう。
ところが、「日本人の英語力は8割がAレベルで、残り2割はようやくBレベル。Cレベルの人はほとんどいない *1」という日本人の現実を前提に考えるならば、この段階分けでは大雑把過ぎて、学習の成果を測りづらいという見方も当然出てきます。
そこで、日本の研究者によって新たに考案されたのがCEFRの「日本版」であるCEFR-J *2です。これはCEFRのA~Bレベルが大半を占める日本人が英語を段階的に学ぶ際に使いやすいように、A~Bレベルの評価区分を細分化し、さらにAレベルの前段階としてPre A1というレベルを追加したものです。(下表参照)
各段階がどのような英語力を示しているのかを、「読む」技能を例にまとめたのが下表です。(Pre AおよびAレベルのみ抜粋)
CEFR | 言語運用能力 |
---|---|
A2-2 | 簡単な英語で表現されていれば、旅行ガイドブック、レシピなど実用的・具体的で内容が予想できるものから必要な情報を探すことができる。 |
A2-1 | 簡単な語を用いて描かれた人物描写、場所の説明の説明、日常生活や文化の紹介などの、説明文を理解することができる。 |
A1-3 | 簡単な語を用いて書かれた、スポーツ・音楽・旅行など個人的な趣味のあるトピックに関する文章を、イラストや写真も参考にしながら理解することができる。 |
A1-2 | 簡単なポスターや招待状等の日常生活で使われる非常に短い簡単な文章を読み、理解することができる。 |
A1-1 | 「駐車禁止」、「飲食禁止」等の日常生活で使われる非常に短い簡単な指示を読み、理解することができる。 |
Pre A1 | 口頭活動に既に慣れしたんだ絵本の中の単語を見つけることができる。 |
*1:東京外国語大学「スーパーグローバル大学構想」による
*2:「CEFR-J」ホームページ(http://www.cefr-j.org/index.html)による
「CEFRレベル」や「各英語検定試験との比較」、「CEFRの歴史」を解説してきました。CEFRがどのような目的で、どんな場面で使われているかが、おわかりいただけたのではないでしょうか?外国語を学習する際には、習得レベルや目標をCEFRと照らし合わせながら勉強していきましょう!
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