■英検®️とは?
「英検」とは、公益財団法人日本英語検定協会が運営する英語4技能検定試験「実用英語技能検定」の通称です。コンピュータを使って受験する「英検CBT」もありますが、本記事では紙で受けるタイプの英検についてお伝えします。
英検は毎年3回実施され、2018年度は約366万人が受験しました。レベルによって1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級に分かれています。年齢制限などはなく誰もが受験可能で、自身の英語力に応じてどの級からでも挑戦できます。
英検には一次試験(リーディング・ライティング・リスニング、すべてマークシートの選択式)と二次試験(スピーキング、面接試験)があり、3級以上は一次試験を合格した人のみ二次試験を受けられます。なお、一次試験と二次試験は別日に実施されます。
■合否・CSEスコア
英検は合否判定だけでなく、国際基準規格のCEFRと関連性をもたせたユニバーサルなスコア尺度「Common Scale for English(CSE)」が与えられます。CSEスコアを導入することで、各技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)をより細かなスコアとして測定することが可能となっています。
英検CSEスコアは試験が実施されるごとに統計的に算出されるため、各技能で何問正解すれば合格かはっきりと発表されていませんが、各技能いずれも6割以上の正答率が合格ラインだと推察されます。
■英検®️を受験するメリット
英検を受けることにはざまざまなメリットがあります。主なメリットは以下の通りです。
・自身の英語力をチェックできる
・受験など、進学の際に利用できる
・就職の際に英語力の証明として使える
・留学の際に英語力の証明資格として使える
・資格試験で英語の試験が免除される
大学入試センター試験が2020年度から「大学入学共通テスト」へ移行することで、英語民間4技能試験のニーズが高まっています。英検はTOEFLiBTなど他の英語民間4技能試験に比べて安価で試験会場も多いため、受験のしやすさから人気となっています。
■2019年度英検®️試験日程
回次 |
受付期間 |
一次試験 |
二次試験 |
第1回 |
3月15日(金)~5月9日(木) |
6月2日(日) |
A日程 :6月30日(日) |
第2回 |
8月1日(木)〜9月12日(木) |
10月6日(日) |
A日程 :11月3日(日) |
第3回 |
11月22日(金)~12月12日(木) |
2020年 |
A日程 :2019年2月23日(日) |
■試験会場
公開会場
全国約230都市、約400の会場で実施されます。申込時に受験する地域を選ぶことはできますが、試験会場は選べません。試験会場は申込受付後、受験票に記載して通知されます。
準会場
学校や塾など団体で申込みをする場合は、その学校や塾を会場として一次試験を実施します。
試験会場に自動車やバイクで行くことは禁止されいるので、必ず電車やバスなどの公共交通機関を利用するようにしてください。
■受験料
公開会場
5級 |
4級 |
3級 |
準2級 |
2級 |
準1級 |
1級 |
3,000円 |
3,600円 |
4,900円 |
5,900円 |
6,500円 |
7,600円 |
9,500円 |
準会場
5級 |
4級 |
3級 |
準2級 |
2級 |
準1級 |
1級 |
2,000円 |
2,600円 |
3,900円 |
4,900円 |
5,500円 |
実施なし |
実施なし |
■級別の試験内容
英検5級
5級のレベルは「中学初級程度」とされています。小学生が英語学習の最初の一歩として受験する場合が多いそうです。
一次試験
リーディング・リスニングのみで、ライティングはありません。
技能 |
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
リーディング (25分) |
短文の語句 空所補充 |
文脈に合う適切な語句を補う |
15 |
会話文の文空所補充 |
会話文の空所に適切な文や語句を補う |
5 |
|
日本文付き短文の語句整序 |
日本文を読み、その意味に合うように与えられた語句を並べ替える |
5 |
|
リスニング (約20分) |
会話の 応答文選択 |
会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う(放送回数2回、補助イラスト付き) |
10 |
会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える(放送回数2回) |
5 |
|
イラストの 内容一致選択 |
短文を聞いて、イラストの動作や状況を表すものを選ぶ(放送回数2回) |
10 |
スピーキング
合否は一次試験の結果のみで認定されます。スピーキングは一次試験の合否に関係なく受験できます。
面接委員との対面形式ではなく、約3分の録音形式で行います。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などからスピーキングテスト受験サイトにアクセスして受けます。スピーキングテストに合格すると「5級スピーキングテスト合格」という資格が認定されます。
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
音読 |
20語程度のパッセージを読む |
1 |
パッセージについての質問 |
音読したパッセージの内容についての質問に答える |
2 |
受験者自身のことなど |
日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む) |
1 |
英検4級
4級のレベルは「中学中級程度」とされており、小学生や中学生を中心に受験されています。
一次試験
リーディング・リスニングのみで、ライティングはありません。
技能 |
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
リーディング |
短文の語句 空所補充 |
文脈に合う適切な語句を補う |
15 |
会話文の文 |
会話文の空所に適切な文や語句を補う |
5 |
|
日本文付き短文の語句整序 |
日本文を読み、その意味に合うように与えられた語句を並べ替える |
5 |
|
長文の内容 一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える |
10 |
|
リスニング (約30分) |
会話の 応答文選択 |
会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う(放送回数2回、補助イラスト付き) |
10 |
会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える(放送回数2回) |
10 |
|
文の内容 一致選択 |
短いパッセージの内容に関する質問に答える(放送回数2回) |
10 |
スピーキング
合否は一次試験の結果のみで認定されます。スピーキングは一次試験の合否に関係なく受験できます。
面接委員との対面形式ではなく、約4分の録音形式で行います。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などからスピーキングテスト受験サイトにアクセスして受けます。
スピーキングテストに合格すると「4級スピーキングテスト合格」という資格が認定されます。
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
音読 |
25語程度のパッセージを読む |
1 |
パッセージについての質問 |
音読したパッセージの内容についての質問に答える |
2 |
イラストについての質問 |
イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する |
1 |
受験者自身のことなど |
日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む) |
1 |
英検3級
3級のレベルは「中学卒業程度」とされており、中高生を中心に受験されています。
2018年度現在、全国の中高生は約650万人いる中で、中高生の英検志願者は約300万人となっています。数値から見ても多くの中高生が受験していることがわかります。
一次試験
3級の筆記試験から、リーディングとリスニングにライティングが加わります。
技能 |
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
リーディング (ライティングと合わせて50分) |
短文の語句 空所補充 |
文脈に合う適切な語句を補う |
15 |
会話文の文 |
会話文の空所に適切な文や語句を補う |
5 |
|
長文の内容一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える |
10 |
|
ライティング (リーディングと合わせて50分) |
英作文 |
質問に対する回答を英文で書く |
1 |
リスニング (約25分) |
会話の応答文選択 |
会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う(放送回数回1、補助イラスト付き) |
10 |
会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える(放送回数2回) |
10 |
|
文の内容 一致選択 |
短いパッセージの内容に関する質問に答える(放送回数2回) |
10 |
二次試験
面接委員と1対1のスピーキング試験です。面接は約5分で、すべて英語で行われます。
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
音読 |
30語程度のパッセージを読む |
1 |
パッセージについての質問 |
音読したパッセージの内容についての質問に答える |
1 |
イラストについての質問 |
イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する |
2 |
受験者自身のことなど |
日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む) |
2 |
英検準2級
一次試験
技能 |
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
リーディング |
短文の語句 空所補充 |
文脈に合う適切な語句を補う |
20 |
会話文の文 |
会話文の空所に適切な文や語句を補う |
5 |
|
長文の語句 空所補充 |
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う |
5 |
|
長文の内容一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える |
7 |
|
ライティング (リーディングと合わせて75分) |
英作文 |
質問に対する回答を英文で書く |
1 |
リスニング (約25分) |
会話の 応答文選択 |
会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う(放送回数1回) |
10 |
会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える(放送回数1回) |
10 |
|
文の内容 一致選択 |
短いパッセージの内容に関する質問に答える(放送回数1回) |
10 |
二次試験
面接委員と1対1のスピーキング試験です。面接は約6分で、すべて英語で行われます。
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
音読 |
50語程度のパッセージを読む |
1 |
パッセージについての質問 |
音読したパッセージの内容についての質問に答える |
1 |
イラストについての質問 |
イラスト中の人物の行動を描写する |
1 |
イラストについての質問 |
イラスト中の人物の状況を説明する |
1 |
受験者自身の意見など |
カードのトピックに関連した内容についての質問に答える |
1 |
受験者自身の意見など |
日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む) |
1 |
英検2級
英検2級以上を取得すると、入試や就職などで英語力をアピールできるといえます。
一次試験
技能 |
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
リーディング |
短文の語句 空所補充 |
文脈に合う適切な語句を補う |
20 |
長文の語句 空所補充 |
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う |
6 |
|
長文の内容一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える |
12 |
|
ライティング (リーディングと合わせて85分) |
英作文 |
指定されたトピックについての英作文を書く |
1 |
リスニング (約25分) |
会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える(放送回数1回) |
15 |
文の内容 一致選択 |
短いパッセージの内容に関する質問に答える(放送回数1回) |
15 |
二次試験
面接委員と1対1のスピーキング試験です。面接は約7分で、すべて英語で行われます。
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
音読 |
60語程度のパッセージを読む |
1 |
パッセージについての質問 |
音読したパッセージの内容についての質問に答える |
1 |
イラストについての質問 |
3コマのイラストの展開を説明する |
1 |
受験者自身の意見など |
ある事象・意見について自分の意見などを述べる(カードのトピックに関連した内容) |
1 |
受験者自身の意見など |
日常生活の一般的な事柄に関する自分の意見などを述べる(カードのトピックに直接関連しない内容も含む) |
1 |
英検準1級
一次試験
技能 |
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
リーディング (ライティングと合わせて90分) |
短文の語句 空所補充 |
文脈に合う適切な語句を補う |
25 |
長文の語句 空所補充 |
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う |
6 |
|
長文の内容一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える |
10 |
|
ライティング (リーディングと合わせて90分) |
英作文 |
指定されたトピックについての英作文を書く |
1 |
リスニング (約30分) |
会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える(放送回数1回) |
12 |
文の内容 一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える(放送回数1回) |
12 |
|
Real-Life形式の内容 一致選択 |
Real-Life 形式の放送内容に関する質問に答える(放送回数1回) |
5 |
二次試験
面接委員と1対1のスピーキング試験です。面接は約8分で、すべて英語で行われます。
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
ナレーション |
4コマのイラストの展開を説明する(2分間) |
1 |
受験者自身の意見を問う質問 |
イラストに関連した質問に答える |
1 |
受験者自身の意見を問う質問 |
カードのトピックに関連した内容についての質問に答える |
2 |
受験者自身の意見を問う質問 |
カードのトピックにやや関連した、社会性のある内容についての質問に答える。 |
1 |
英検1級
英検1級を取得すると、観光庁長官が実施する通訳案内士試験において、筆記(一次)試験の外国語(英語)科目の受験が免除されます。
一次試験
技能 |
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
リーディング (ライティングと合わせて100分) |
短文の語句 空所補充 |
文脈に合う適切な語句を補う |
25 |
長文の語句 空所補充 |
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う |
6 |
|
長文の内容一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える |
10 |
|
ライティング (リーディングと合わせて100分) |
英作文 |
指定されたトピックについての英作文を書く |
1 |
リスニング (約35分) 放送回数はすべて1回です。 |
会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える |
10 |
文の内容 一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える |
10 |
|
Real-Life形式の内容 一致選択 |
Real-Life 形式の放送内容に関する質問に答える |
5 |
|
インタビューの内容一致選択 |
インタビューの内容に関する質問に答える |
2 |
二次試験
英検1級の二次試験は札幌・仙台・横浜・東京・新潟・名古屋・京都・大阪・広島・福岡・那覇の11都市でのみで実施されます。
英検1級は面接委員が2人になります。スピーチ、応答の内容、語い、文法、発音の正確さなどを総合的な観点で評価され、合否が決まります。
形式・課題 |
試験内容 |
設問数 |
自由会話 |
面接委員と簡単な日常会話を行う |
|
スピーチ |
与えられた5つのトピックの中から1つ選び、スピーチを行う(2分間) |
1 |
Q&A |
スピーチの内容やトピックに関連した質問に答える |
ベストティーチャーでは英検対策コースをご提供しております
「英検®1級対策コース」「英検®準1級対策コース」「英検®2級対策コース」「英検®準2級対策コース」「英検®3級対策コース」にお申し込みいただくことで、通常コースの日常・ビジネスに関するレッスンに加えて、それぞれ旺文社が出版する書籍「英検®対策シリーズ」に掲載されている問題を元にしたレッスンが受講できるようになります。ご自身で受講級の変更手続もできますので(※1)、希望の級に合格したり目標とする英検CSEスコアを取得したら受講級を変更して、さらに上の級を目指しましょう。
(※1)ログイン後の「設定」ページ内「受講級の設定」から変更予約をすることができ、コースを選択すると次回お支払日より変更されます。なお、級の変更は1ヵ月に1回することができます。
このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。