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古河市立古河第一中学校様 古河市立古河第一中学校(茨城県)の授業中に、ICTを利用した英会話レッスンを受講していただいております

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茨城県古河市は、市立小学校23校と中学校9校の32校を対象に、学習用タブレット1,421台を2015年9月1日から導入し、学校内外で学習しやすい環境を作ることで学力の向上を目指しています。

ICTを利用した英語学習の取り組みとして古河市と株式会社ベストティーチャーは、古河市立古河第一中学校の1年生の授業中にで、Skypeを用いた英語の授業を実施しています。

自治体としてのICTの英語教育を取り仕切る古河市教育委員会の指導主事の鈴木清子先生と、古河第一中学校の英語教員の谷澤啓之先生に、それぞれベストティーチャーを利用した感想と今後のICTを利用した教育に関してお話を伺いました。

古河市教育委員会教育部 指導課 鈴木 清子先生

鈴木先生

鈴木 清子先生 古河市教育委員会 指導主事
インタビューのポイント!
  • 教育現場へのICT機器の導入と各校の公平性
  • 学校でベストティーチャーのサービスを利用するメリットとデメリット
  • 今後のICT機器を活用した教育の在り方

市立小中学校32校に対し、1,421台ものタブレットの導入を決めた理由は?

タブレットの導入は、各学校の授業でのICT機器活用推進の一環であり、その目的は、ICT機器活用による授業の改革です。つまり、ICT機器を使うことにより、教師主導の一斉教授型授業から、学習者主体の課題探究型授業への転換を図ることに目的があります。もちろん、情報処理、情報活用能力の育成もありますが、旧態依然とした従前の授業を改革したいというのが最大の目的と捉えてください。教員の指導に対する意識改革は、そう簡単に進むものではありませんし、きっかけが必要です。古河市はその切り口をICTに見出しました。

今回のICTを利用した英語授業では、なぜ古河第一中学校を選んだのでしょうか。

古河第一中学校には「道標」という「Can-Doリスト」に相当する生徒向けの学習の手引きがあります。3年間分、1単位時間のゴールと学習内容・活動(つけたい力とねらいに向かってアプローチする方法)が明記してあります。日頃よりしっかりとした指導過程のもとで授業が展開されているところに、Skypeでの英会話実践を取り入れることで、従来の授業と比較して、どのような効果が望めるか検証できると考えました。さらに、今回の授業を担当していただいた谷澤教諭は、生徒の4技能の育成を目指し熱心に教材研究に励み、授業に臨んでいます。また、若手ながら古河市教育研究会英語部(古河市立小中学校32校)のリーダーを務めるなど、市の英語教育の充実にも力を発揮されています。

今回のプロジェクトは、市内32校の小中学校のうちの1クラスだけで導入されています。公平性や他校への導入についてはどのようにお考えですか。

タブレットの導入時にも用いた手法ですが、まずはモデル校で一定期Skypeによる英語授業の有効性を検証すると共に、指導法を模索します。モデル校で実証された結果をもとに、全市での横展開を考えています。Skypeを使った指導は、新しい取り組みなので、教員の指導力が問われます。中学校が9校、小学校が23校ある古河市の規模では、一斉展開してしまうと教員研修が間に合わず、かえって混乱を招く恐れがあるのです。ですから、段階的な展開が必要だと考えています。モデル校を公募するというのも公平性につながっているかもしれません。

e-Learning(オンライン教材など)とは異なり、ベストティーチャーは外国人講師とインタラクションしながら授業を行う仕組みとなっていますが、そのメリットとデメリットをお聞かせ下さい。

なんと言っても、リアルな場面で双方向でのやりとりができるところが魅力です。記憶したフレーズを発音するという知識の再生ではなく、生徒は初めて出会う外国の方とほどよい緊張感をもちながら、対話活動をすることが可能になりました。相手を思いやったり表情から何か理解しようとしたりする相手意識、即興性も育ったように思います。

問題点としては、予定していた時間の変更がきかないことや通信状況などがあげられます。大きな課題として、事前の打ち合わせの時間の確保であると考えます。ハード面はセルラーモデルのタブレット導入で解決しますが、ソフト面が心配ということですね。また、教材づくり、授業展開といった授業づくりのスキルが古河市の英語科教員に身についているかという不安もあります。小学校での導入では、その課題はさらに顕著になります。教員研修のあり方も課題と言えます。また、4技能の評価も課題となります。Skypeでの英会話をどう評価するか? 今後の検討課題と思います。

これからどのようICTを利用した英語授業を広めていこうとお考えですか。

英語の授業は「authenticな活動場面の設定」と「活動しながら定着を図る」ことが大切です。今回、Skypeでの空間の短縮により、リアルなコミュニケーションの場面設定ができたように、ICTは空間と時間の短縮が可能です。この機能を上手に活かし、4技能を総合的に高める方法を模索し、パターンプラクティスの延長から脱却し、必然性のある活動を広めていきたいと思います。

古河市教育委員会鈴木先生が考えるこれからのICTを利用した教育の在り方をお教えください。

ICTは、指導者の利便性からの活用から、児童生徒が情報活用能力を高め、主体的に学習し、問題解決するための活用へとシフトしていかなければなりません。特別なものではなく、学習道具の一つとしてとらえています。例えばiPadで自分の考えを伝え、友達の考えを聞く、あるいは自分の考えをすぐに形にする、地球の裏側の相手と対話するなど、様々な活用が期待できます。学習のねらいに応じて、今あるものと上手く組み合わせながら活用すべきでしょう。

今後の学び方は、「アクティブ・ラーニング」「アダプティブ・ラーニング」という二つの学び方が主流になると思います。どちらにもICT機器は有効に活用されます。もちろん、かなり違った活用法になると思います。この学びを支える機器環境の整備が、教育委員会に求められます。これからのICT機器を活用した教育のあり方を、古河市の立ち位置で考え、先を見据えた整備と研修計画を立ててまいります。

古河市立古河第一中学校 谷澤 啓之先生

谷澤先生

谷澤 啓之先生 中学校 英語教員
インタビューのポイント!
  • 新しい教育方法への不安
  • 実際にICT機器を活用した授業を行った感想
  • ICT機器を活用した教育から得られる教員としての喜び

ICTを利用した英語の授業を行うと、初めて聞いたときは、どう思われましたか?

どのようなことを行うのかあまりイメージがわかず、正直不安の方が大きかったです。ICT機器の活用については,その必要性が叫ばれていますが、いざ自分が行うとなると事前の準備に多くの時間がとられてしまい、慣れるまでは大変でした。それと同時に、どれだけの効果があるのかも非常に楽しみで早くやってみたいと思いました。

授業準備までに不安だったことはありますか。

当日の授業でSkypeがうまく動かないのではないか、とても不安でした。実際に動かしてみると、操作自体は非常にシンプルで使いやすく、生徒はすぐに活動に取り組むことができました。生徒は恥ずかしがって英語を話そうとしないのではないかという不安もありましたが、慣れてくると楽しそうに活動することができていました。

Skypeレッスンを過去4回ほど行いましたが、授業を行ってみて感じたことをお教えください。

回数を重ねれば重ねるほど、事前の準備にスムーズに入ることができ、生徒が考える英語もレベルの高いものになってきました。最初は戸惑っていて会話をしようとしなかった生徒が、事前に考えていた質問をした結果、相手に通じ、会話が成立した時の表情は一生忘れることはありません。

これからの学校教育に関して、ICTを利用した授業はどのように関わっていくとお考えですか?

現状では、何人かで1台の機器を操作するという状態ですが、近い将来、一人につき1台の時代が必ずやってくると思います。ICT機器を使った授業は、全教科で非常に高い学習効果を生むと考えています。学習形態も、従来のものに固執することなく、学び合いを中心とした体験学習になると思います。

学校の先生に求められるスキルは、ICTを利用した教育が普及すると変わっていくとお考えですか。

基本的な機器の操作がわかれば、それほど高度な知識は必要ないのではないかと思います。個々の教員が今までに培ってきた指導方法はそのまま、ICT機器を用いた授業に利用することが可能です。「自分にはできるのか」という不安を、まず取り除くことが大切だと考えています。

これからICTを利用した教育を行う学校の先生たちへ、アドバイスをお願いします。

ICTを利用した教育は、間違いなく生徒に高い関心を生むと思います。取り組むまでは、期待よりも不安の方が大きく、慣れるまでは負担の方を感じるかもしれませんが、生徒が直接体験し、課題を解決したときの表情は何物にも代えられない素晴らしいものです。
Skype授業では、生徒たちが積極的に講師との英会話を楽しんでいる姿が多く見受けられました。子どもたちが英語を学ぶ意欲をもっているならば、英語を話すことができる環境を作って、英語運用能力向上の支援をしていかなければならないと強く感じました。